今回やってみたのは、レーザーポインターのちょっと不思議なアイテム。点のかわりに、文字や図形が現れてくるアレである。

image0.jpeg

 その仕組みはレーザーの出るところに小さなガラスがあって、そこに光を通しているとても単純なものだ。だがしかし、このガラスがどうなっているのか分からない。拡大してみると、何やら模様があるがこれがなんなのかハッキリしない。

なんでここにレーザーを通すと矢印になるんだろう?

 

 不思議だ。

 

 しかし、これはちゃんと物理的な計算によって作られているはず。光学技術者として、これを分からないままにはしておけないと思った。これを解析して、実際に作ってみよう。

 

 まずは資料集め。ホログラム、回折、レーザーで検索して本とサイトをピックアップ、このへんは別途記述する。

 

 なんとか原理的な計算証明をした。

フーリエ2.jpg

 

 

 

 

 

 

 ようは2次元のフーリエ変換ということだ。

 

 これを高速フーリエ変換(FFT)で計算するためのプログラムを組んでみた。まずは、お手軽にエクセルVBAで記述。重くなる半面、マクロや解析ツールが使えるので便利だからだ。ここで、いろいろ判明した性質があるが、これもボリュームが大きいので別のページでまとめる。ともあれ、計算結果は以下の通り。

 

 デザインサンプルは六芒星

六芒星_原案.jpg

 

 これがシミュレーション結果

六芒星_シミュレート.jpg

 このときの計算結果の模様

六芒星_位相.jpg

 このもやもやした模様にレーザーを通すと、シミュレーション通り六芒星のデザインが出てくる。

 

 はず!!

 はずである!

 

 ほんとうかな?

 確かめてみないことには信用できないし、自分でも納得いかない。

 

 そこで、参考書にあった方法でデバイスを作成した。

デバイス1.jpg

 これがほんとうに六芒星になるのか??

 レーザーを通すと、、

六芒星_結果.jpeg

 お~~いちおう出来た!

 

真ん中に点があるのはたぶん0次光というやつだ。段差を波長レベルで合わせないと消えないらしい。これもシミュレートしてみると、ちゃんと計算通り出てきた。

 

 満足である。

 できれば完璧にシミュレーション結果を再現してみたかったが、それをやるにはかなりの時間と費用が必要だ。今回は原理の計算を確認できればよかったので、これで終了する。

 

 次回から、これの解説にはいる。